コミュニケーション
旅行中の病気と補完療法について知っておくべき7つのこと
7 Things To Know About Travel-Related Ailments and Complementary Health Approaches
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
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英語版最終アクセス確認日:2025年7月
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旅行中の体調不良により、旅行が中断したり、台無しになったりします。旅行に関連した健康問題を予防・管理するために、補完療法を利用する人もいます。ここでは、旅行に伴う体調不良や障害に対する補完療法について知っておくべき7つのことを紹介しています。
- マラリアの予防と治療。多くの一般向けウェブサイトでは、食事の変更やハーブ製品など、マラリアの予防や治療に役立つ「自然な」方法を紹介しています。しかし、旅行者は、そのような深刻な病気の予防や治療を目的として、効果が証明されていない「自然療法」に頼るのではなく、公式の推奨に従うべきです。
- 時差ボケ(時差症候群)と睡眠問題。いくつかのエビデンス(科学的根拠)によると、メラトニンサプリメントは、東または西に移動する旅行者が時差ボケによって引き起こされる睡眠の問題を改善するのに役立つかもしれません。プログレッシブリラクゼーション(漸進的弛緩法)のようなリラクゼーション法や、マインドフルネス・ストレス低減法のような心身療法は、不眠症には役立つかもしれませんが、時差ボケに有用かどうかは不明です。
- 旅行者下痢症。プロバイオティクスが旅行者下痢症のリスク(危険)を減らすことができるかどうかは不明です。このテーマに関する研究では、相反する結果が得られています。ゴールデンシール(ヒドラスチス)、活性炭、グレープフルーツ種子抽出物(エキス)は有用性が示されていません。
- 虫よけ。植物由来の虫よけ剤を合成製品よりも好む人々に対して、米国疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)は、レモンユーカリ油を含み、かつ米国環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)に登録された製品のみを推奨しています。また、トコジラミを撃退すると宣伝されている天然製品については、その有用性を裏付けるエビデンスはありません。
- 日焼け止め。「天然」の日焼け止め製品や自家製日焼け止めのレシピが多くオンラインでプロモーション(宣伝・販売促進)されています。しかし、局所的に(皮膚に塗布して)使用されるこれらの製品や製剤が、日焼けによるダメージを防ぐとするエビデンスはありません。
- 乗り物酔い。乗り物酔いに対する指圧や磁石の有用性を裏付ける研究はありません。乗り物酔いに対するショウガの有用性については、研究結果に一貫性がありません。好きな音楽を聴くことでリラックス効果が高まり、乗り物酔いの症状が軽減されることや、新鮮な空気、自律訓練法、腹式呼吸(横隔膜を意識した呼吸法)が乗り物酔いに役立つ可能性を示唆するエビデンスがあります。
- 自分の健康を守るために、自分が行っている補完療法について今かかっている医療機関※に相談しましょう。そうすることで、十分な情報を得た上で意思決定をすることができます。
(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)
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更新日:2025年10月31日
監訳:時信亜希子(京都大学)、大野茜(国立国府台医療センター)、大野智(島根大学)
翻訳公開日:2021年3月12日
ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください
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