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がんに対する心理的・身体的補完療法について知っておくべき8つのこと
8 Things To Know About Cancer Symptoms and Psychological and Physical Complementary Health Approaches
本項目の説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があることをご承知ください。
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英語版最終アクセス確認日:2025年7月
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一部の心理的・身体的補完療法は、がん治療において役割を果たすかもしれませんが、不適切な使い方をすると有害になる可能性があります。ここでは、知っておくべき8つのことを紹介します。
- がんを患っている方は、補完療法を利用する前に、今かかっている医療機関※に相談してください。心理的・身体的アプローチには安全性に関する良好な記録がありますが、試したい特定のアプローチがあなたにとって安全で、がん治療の妨げにならないことを確認することが重要です。
- これまでに、どの補完療法も、がんが治癒したり、寛解状態になったりしたことは証明されていません。がんに対する医学的治療の代わりとして、もしくは治療を遅らせるために、効果の証明されていない製品や療法を使用すべきではありません。治療が遅れると、寛解や治癒の可能性が低くなります。
- 鍼治療は、がんの痛みや倦怠感を軽減し、治療に関連した悪心や嘔吐の管理に役立つかもしれません。がんによるホットフラッシュ(ほてり)に対する鍼治療の有用性に関する研究は限定的です。
- 催眠療法は痛みや悪心・嘔吐、医療処置に伴う不安や苦痛に役立つかもしれません。乳がんの女性のホットフラッシュ(ほてり)にも役立つかもしれません。
- リラクゼーション法は、がんの治療を受けている人の不安症状に役立つかもしれません。エビデンス(科学的根拠)は弱いものの、これらの手技はがん治療による痛みにも役立つかもしれません。
- マインドフルネスに基づく介入は、がん患者のストレス、不安、抑うつへの対処を助けるかもしれません。また、倦怠感を軽減し、生活の質(quality of life:QOL)を向上させるかもしれません。
- 乳がんの女性がヨガを実践することで、倦怠感や睡眠障害、抑うつや不安、QOLがわずかながら改善されるかもしれません。しかし、他の種類のがん患者に対するヨガの有用性については、あまりわかっていません。
- 限定的なエビデンス(科学的根拠)によると、マッサージ療法、リフレクソロジー、太極拳や気功、音楽を用いた介入も、がん関連症状や治療の副作用の管理に役立つかもしれません。しかし、これらのアプローチに関するエビデンスは、前述した他の心理的・身体的アプローチに関するものほど強くはありません。
(※補足:原文では、healthcare provider。米国では主に医療サービス等のヘルスケアを提供している病院/医師を指す。また、健康保険会社や医療プログラムを提供する施設等も含む。)
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更新日:2025年10月31日
監訳:時信亜希子(京都大学)、大野茜(国立国府台医療センター)、大野智(島根大学)
翻訳公開日:2021年3月12日
ご注意:この日本語訳は、専門家などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、当ホームページの「ご意見・ご感想」でご連絡ください。なお、国立衛生研究所[米国]、国立補完統合衛生センター[米国]、国立がん研究所[米国]のオリジナルサイトでは、不定期に改訂がおこなわれています。
当該事業では、最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、編集作業に伴うタイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください
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